老人と骨折(2002/12/25)
 老人は転倒すると約5%が骨折に結びつくといわれています。年をとるとふらつきやすく、また倒れそうになった時、若い人のようにとっさの判断もとりにくく転倒してしまうという結果になります。筋力低下や骨粗鬆症などが原因となっていて、脳卒中発作、失神発作、精神安定剤や睡眠薬を飲んでいる時に起こりやすいので注意が必要です。
 転倒による主な骨折は次ぎのとおりです。

(1)大腿骨頚部骨折
 転倒し下肢をひねったり、腰を打った時に起こりやすい。ふつう歩行ができなくなり、股関節のはれ、痛みがみられます。ときに歩行ができることもあるので、X線検査により骨折かどうか診断をうけることが重要です。骨折があれば入院が必要で、その状態により手術をおけることになります。
 この大腿骨頚部骨折は寝たきりになることが多く、受傷した老人の約半分は骨折前と同じ能力にもどることはできないという報告もあります。

(2)脊椎圧迫骨折
 背骨、腰骨の骨折で転んで尻もちをついたり、ベッドから落ちた時に起こりやすい。
 骨折すると背中や腰に激しい痛みを感じます。この骨折の場合は2から3週間で骨がくっつくので、軟性コルセットによる固定、以後リハビリによる座位、立位をとる訓練をします。

(3)手首、腕の骨折
 転んで手をついて手首がはれ、痛みがあり骨折と診断されればギブス固定による治療をうけます。
 転んで手をつくことができず肩から落ちた時、上腕骨骨折が起こりやすく、ギブス固定をします。
 いずれにしても転ぶと大変なことになるので転ばぬ先の杖を!!

           岡部医院  岡部 功 

一覧に戻る

Copyright (C) 2001-2006 Nakatado gun & Zentsuji city Medical Association. All Rights Reserved