ちょっとインフルエンザな話(2003/01/28)
 明けましておめでとうございます。この文章で皆様にお目にかかれる頃には、インフルエンザの予防注射は既に完了していることでしょうが、接種済みの方もここでもう一度インフルエンザについてお勉強しておこうと思います。この健康メモでは以前、平成10年12月号で西川先生がインフルエンザとワクチンについて詳しく説明されておりますが、その後インフルエンザウイルス迅速診断キットの開発や治療薬の出現などで不治の病でありましたウイルス感染症の現状も少しずつですが変わろうとしております。また本年度は数社から簡便な迅速診断キットが発売されておりまして、例年のような品薄状態は回避されそうです。ただ、この検査も絶対ではなく、感度は6〜7割と言われておりますが、陽性を示した場合の信頼性はほぼ間違い無しとのことです。治療薬につきましても本年度は、吸入、カプセル、ドライシロップと充実してまいりました。効果の方も発熱期間が短縮するほか、肺炎、中耳炎などの合併症も減少するという報告もあり、その有効性に対する評価は高いようであります。また、これら薬剤はインフルエンザA型B型共に有効で、重篤な副作用を問題視する声は現時点では挙がっておりません。このように素晴らしい薬ではありますが、問題は発症から48児間以内の投与が原則であるということです。ですから、インフルエンザの主症状である激しい全身倦怠感や関節痛、筋肉痛などの全身症状を伴う高熱があれば早期に検査をし、治療をすることが大切であります。薬の効果は48時間後投与より24時間以内投与の方が明らかに解熱率も高かったとの報告があります。何度も言う様ですが「出来るだけ早く」が肝心です。
           医療法人社団 森医院  森 史郎

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