いびき(2003/08/11) “いびきは睡眠中のみに起こる異常呼吸音”のことであり、特に鼻腔、咽頭、喉頭等に発生源が生じているのが一般的である。 本人は睡眠中の出来事なので、いびきの激しさや呼吸の停止を自覚していない事が多い。 (1)全身的原因・・・肥満、首太型、飲酒、過労、中枢神経疾患 (2)局所的原因・・・鼻茸、鼻アレルギー、アデノイド、口蓋扁桃肥大、軟口蓋低位、腫瘍 等があげられる。 【病的いびき(睡眠時無呼吸)の影響および合併症】 いびきが極めて大きく、睡眠中に呼吸が停止する場合には、睡眠時無呼吸症候群が疑われる。これは夜間睡眠中に10秒以上の呼吸停止が30回以上ある状態の事で、熟睡出来ないため、昼間眠たくなるため、 交通事故の原因や、更に、早朝に頭痛を起こしたり、疲れがひどい、気分がすぐれない、根気がない、記憶力がなくなる等の症状を訴える者が多い。 乳児では夜尿症や無驚症の原因にもなる。 循環器系への影響では、血圧との関係が密接で、睡眠中の血圧変動が大きく、昼間でも高血圧の人が高頻度でみられる。 【病的いびき(熟睡時無呼吸)の診断】 入院かまたは自宅で睡眠時呼吸モニター検査を行うことにより、睡眠中の血中酸素飽和度、脈拍の変動、呼吸停止の持続時間、回数等を調べる。 原因部位を判定するには、上気道の内視鏡検査と動的MRI検査を行う。 【治療法】 (1)薬物治療はほとんど効果が期待できない。 (2)経鼻的持続陽圧呼吸 鼻から器機を用いて陽圧を加える方法である。 (3)手術治療 @鼻内手術 A扁桃、アデノイド手術 B口蓋垂・軟口蓋・咽頭形成術 等がある。 【日常生活での予防法】 自分の症状を正しく把握することである。いびきの原因が肥満からくるものならば減量を心掛ける。病的いびきならば医療機関で相談することである。 増田耳鼻咽喉科医院 増田 勝彦 |
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