結核健診(ツベルクリン反応、BCG接種)の変更(2003/09/10)
 世界で新型肺炎が猛威をふるっています。ウイルスがかなり強く、しかも変異するということで感染防止もワクチン聖像も大変難しい状況です。
 1960年まで不治の病といわれた結核は、最近でもまだ静かな流行が続いています。これまでツベルクリン反応とBCG接種が三回(乳児期と、小学一年生時、中学一年生時)行われてきました。平成15年度からこの方法が大きく変わり、乳児期に一回だけ行い、小中では問診票によって結核感染が疑われる例のみ精密検査をするという方法に変わります。
その変更の理由は若年層で結核罹患率が低下する一方で、全体では罹患率が低下せず先進国の中でも高めに推移しており、小中の一年生に全員行っても効果があまり上がらないことから、集団的対応から、少ない罹患者に最大の効果を上げる手法に変わりました。
 新しい方法では、まず小中学生全員に問診票が配られます。その中で結核罹患歴や自覚症状ありなど六項目のいずれかに○が付いた児童生徒を学校医が診察し、更に検討が必要と思われるものを教育委員会に届出ます。教育委員会では結核対策委員会を開催し、専門的な検討がなされ、精密検査、経過観察指示などについて改めて学校に通知されることになります。もちろんプライバシーの保護は十分配慮されます。
 今回の改正ではこれまでは学校が主にやってくれていたのですが、症状の観察や問診票の記入など保護者の積極的な関与が要求されます。また現在善通寺市では乳児のツ反、BCGは集団で行っていますが、他の市町村では既に任意接種」となっており、善通寺市でもそうなれば「忘れてました」いう方が多くいて、そのまま大人になってしまうケースが増えるのではと心配しています。新型肺炎同様「自分で自分の身を守る」がキーワードになりそうです。

       医療法人社団 にしかわクリニック  西川 清

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