〜大切な命を救う〜心肺蘇生法(ABCD)(2005/12/01)

 日本では、年間約八万人が突然死し、その約半数は心臓病によるものです。この心臓突然死のほとんどは「心室細動」と呼ばれる不整脈が原因で、その処置を如何に早く行うかがポイントです。一分遅れるごとに10%ずつ救命率が低下します。有効なのは発作が起きてから五分以内で、救急車を待っていたのでは手遅れになってしまうことも少なくありません。そこで力を発揮できるのは倒れた人の目の前にいる貴方なのです。「恐い」と思う気持ちが強いと思いますが、駄目で元々のつもりで勇気を持って試みてください。

一、意識がなければ119番通報
二、呼吸をしていない時は下記ⒶⒷの要領で気道を確保し人工呼吸を行う。
三、脈拍も無く、心臓が停止している時はⒸの要領で心臓マッサージを行い救急車の到着を待つ。

以上が今まで一般の方でも可能な救命の手順です。

●ご存知ですか?AED(自動体外式除細動器Ⓓ)
 心室細動から電気刺激を与えて正常に戻す装置です。元来医師以外の使用は禁止されていましたが、02年高円宮憲仁殿下が心停止により急逝したことを契機に普及促進活動が進み、04年7月から一般市民にもAEDの使用が許可されるようになりました。空港、駅ビル、博物館、競技場、などの公共施設に配備されています。操作は簡単で救命率も高く、近い将来各家庭に一台設置される日が来るでしょう。

Airway 気道確保
・片手をひたいにあて、もう一方の手の人さし指と中指で下あごをもちあげる。
Breathing 人工呼吸
・気道を確保した状態で、ひたいの手の親指と人さし指で患者の鼻をつまむ。
・口を大きく開き患者の口を覆い、2秒かけて息を吹き込む。
・胸の動きを確認し人工呼吸を2回続ける。その後は5秒に1回ずつくり返す。
Circulation 心臓マッサージ
・両掌を重ねておき、100回/分の速さで胸骨を圧迫する。
・心臓マッサージ15回と人工呼吸2回を交互にくり返す。
Dead



(医)岩野循環器内科医院 岩野 健造

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