メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)(2006/10/02)

 四十歳以上の男性では二人に一人が該当者とその予備軍と言われています。もう人ごとではありません。日本人は少ない食べ物からエネルギーを蓄えることができる省エネ型の人種であるにもかかわらず、食生活の欧米化により肥満や糖尿病になりやすいと言われています。実際、糖尿病患者は年々増加し、その可能性がある人を含めると1620万人にもなります。
 昨年四月、日本人のメタボリックシンドロームの診断基準が設定されました。
 メタボリックシンドロームは、内臓脂肪が過剰にたまり、代謝が正常に行われなくなることにより動脈硬化が起こり、心筋梗塞や脳梗塞の危険率が高くなっている状態をいいます。肥満、高血糖、高脂血症、高血圧が合併した状態は「死の四重奏」と呼ばれており、実際これらを併せ持った状態では、心筋梗塞や脳梗塞になる危険度が約30倍にも跳ね上がります。
 診断基準は、立位で軽く息を吐いた状態の臍の高さでのウエスト周囲を測定し、男性で85a以上、女性では90a以上を「内臓脂肪蓄積あり」と判断し、内臓脂肪蓄積に加え、
@ 脂質代謝異常(中性脂肪150r/dl以上、あるいはHDLコレステロール40r/dl未満)
A 血圧異常(血圧130〜85oHg以上)
B 高血糖(空腹時血糖110r/dl以上)
の三項目のうち、二項目以上当てはまればメタボリックシンドロームと判断されます。ぜひ一度ウエストサイズを測定してみてください。そして、基準値を超えていたら、健康診断の結果を再確認してください。
 糖尿病、高血圧症、高脂血症に関して早期発見、早期治療することが、動脈硬化ひいては心筋梗塞、脳梗塞等の合併症を防ぐに重要だと思われます。

中島医院・中島 雄作


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