高齢者の方々が冬季に必要なワクチン(2006/12/01)

 今年も冬将軍の訪れる時期となりました。そしてまた残念なことに、インフルエンザの流行の季節ともなります。特にインフルエンザの流行は高年齢者の死亡を増加させます。これは、インフルエンザ自体による呼吸不全のほかに、インフルエンザに罹っている間の心機能や腎機能低下も関係してきます。また、幸いインフルエンザが治癒しても、インフルエンザによって気道(空気の通り道)が障害されているので、細菌感染を起こしやすくなっていてインフルエンザ後に肺炎が起こることも多々あります。そのために、これらの予防法として考えられるのが、インフルエンザと肺炎球菌のワクチンです。(ただし、総てを完全に防ぐことはできません)
 わが国でも、2001年に予防接種法が改正され、六十五歳以上の高齢者に対するインフルエンザワクチンの接種が推奨されるようになり、今年11月1日からは公費補助が受けられます。また、今年10月1日から本市でもインフルエンザワクチンと同様に、肺炎球菌ワクチンの接種も公費補助付で受けられることになっています。世界の研究ではインフルエンザワクチンと肺炎球菌ワクチンの併用は、高齢者の肺炎や死亡に対して極めて有効性が高いと報告されています。ぜひ高齢者の方は、ワクチン接種を考えていただきたいと思います。でもまずは、インフルエンザ等の感染症に罹らないことが一番です。それには、十分に休養を取り、体力や抵抗力を高め、バランス良く栄養を取る。人ごみや繁華街への外出を控える。外出時にはマスク、室内では適度な室温を保ち、帰宅時のうがい、手洗いの実行等です。気をつけて冬季を乗り切りましょう!
 なお、ワクチンなど詳しいことは医療機関へお聞きください。


安藤医院・安藤 直明


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