高齢者の運動と健康(2007/04/02)

 人は誰でも加齢とともに動脈硬化が進んできます。死因のうち、心臓病および脳卒中の占める割合は30%に達しており、これらの多くは動脈硬化が原因となっています。また、介護が必要となった原因でも、脳卒中に加え骨折・転倒などが主で寝たきりの原因にもなっていると考えられます。これらの背景には老化・運動不足による筋力低下があります。
 加齢に伴い体力は低下し動脈硬化による病気が発症します。運動不足の人が急に運動すると心筋梗塞になるリスクは高いと言われています。運動不足は筋肉の量を減らし脂肪の量を増加させるため、生活習慣の改善によって健康を維持していくことが重要です。適切な運動を継続することによって動脈硬化を防ぎ、寝たきりを予防することができ、快適な日常生活が送れるようになり長生きすることが期待できます。
 運動トレーニングは肥満を改善し、血管の機能も改善し血流を良くします。特に全身を使う持久性運動で改善効果が広く認められています。高齢者が運動を効果的に行うためには、安全性が確保される必要があります。メディカルチェックに加え、自分の体力を考え負荷の少ない運動から始めることが重要です。筋力トレーニングは転倒・骨折の予防に有用ですが、血圧の上昇に注意する必要があります。高齢者においても運動トレーニングの効果は十分期待でき、生活習慣病および動脈硬化の予防の点で健康維持に大きく貢献するものと思われます。


岡部医院 岡部 功


一覧に戻る

Copyright (C) 2001-2006 Nakatado gun & Zentsuji city Medical Association. All Rights Reserved