心臓病と腎臓病の関係 −慢性腎臓病について−(2008/04/01)


 心筋梗塞や脳梗塞の原因となる動脈硬化の危険因子として、肥満、高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙などがありますが、最近、慢性腎臓病(以下CKD)が危険因子として注目されています。

【“CKD”ってどんな病気?】
 腎臓は、人間のこぶし大で背中の腰の上に左右1対あります。たくさんの細かい血管が集まっていて、血液中の老廃物をろ過し、尿として体外に排泄したり、体の中の水分量の調節をしています。CKDとは、この腎臓の働きが低下した状態をいいます。CKDは、自覚症状があまり無いため気づきにくいのですが、放置しておくと腎臓の血管が痛めつけられ、腎臓の働きがどんどん悪くなります。同時に、全身の血管も傷つき、心臓病や脳卒中が起こりやすくなるのです。心臓が悪くなると腎臓に送られる血液量も減少し、腎臓は更に悪化します。この悪循環が繰り返され、CKDの状態の人は正常の人に比べ、3倍の確立で心筋梗塞や脳梗塞になりやすいといわれています。

【CKDを見つけるためには?】
 高齢者やメタボの状態の人は、時に注意が必要です。尿検査や血液検査でわかりますので、検診などを利用して自分の腎臓の機能をチェックしてみましょう。

【CKDの予防・治療法は?】
 早期発見が最も重要ですが、まず第一に生活習慣(メタボ)の改善に努め、発症を予防しましょう。高血圧や糖尿病の人は特に厳重なコントロールが必要になります。あなたに適した治療薬が処方されますが、程度によっては腎臓専門医に紹介されます。



岩野循環器内科医院 岩野 健造



一覧に戻る

Copyright (C) 2001-2006 Nakatado gun & Zentsuji city Medical Association. All Rights Reserved