脱水症って知っていますか?(2009/07/01)

 


 さて今年も間違いなく夏がやってまいりましたが皆さんはこの時期によくみられる「脱水症」というものをご存知でしょうか。定義として、「体液の不足した状態」すなわち水分と塩分のどちらか或は両方が損失した状態をいいます。夏場の脱水は熱中症などによる急激で激しい発汗が考えられますので両方損失のタイプとなります。同じく嘔吐や下痢による脱水も両者損失性であり、ほとんど多くの脱水症がこのタイプと考えられますが、意外と塩分の補給の意識は低い様に思われます。水分だけを大量に補給した場合、体内の塩分濃度は薄まり「喉の渇き」は消失しますが、それにより症状が隠される事で塩分損失が忘れ去られ重篤となる事も少なくありません。最近、テレビでサッカーの試合を御覧になればよくわかると思いますがプレーが止まる度に選手がスポーツドリンクを飲んでいます。実はこれが正しい水分(塩分)の採り方で、一度に大量に採りますとお腹がフル活動して逆に疲労してしまいますので少量を頻回にしかも十分に採ることが今時の考え方であります。ですからマラソン選手も同様、給水所でドリンクを受け取って必要量飲んだら、後は筋肉を冷やすため残りは体にかけているでしょう。


 それではこの夏、一番誤った水分の採り方はといいますと、汗をかいて喉が渇いたからといってガブ飲みをする甘いジュースです。この中に多量に含まれる糖分を分解しようと、ビタミンB1が消費され、夏バテの原因となります。ただでさえ食欲が落ちる甘いジュースには、当然塩分の補給などは考えてくれていません。ところでビタミンB1を多く含む食品の代表は、なんと「うなぎ」なんです。「土用の丑」にうなぎとは昔からよく考えられているんですね。


 


医療法人社団 森医院


森 史郎


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