糖尿病網膜症について(2009/09/01)

 いま、日本には糖尿病の方が1,000万人いて、そのうち13%ほどが糖尿病網膜症を発症しているといわれています。


 糖分の多い(血糖の高い)血液が流れていると、細い血管(毛細血管)が痛んで、血管がつまったり、血管から水分が漏れたり、出血したりします。これが目の網膜で起こるのが糖尿病網膜症です。


 糖尿病網膜症は、もし起こっても最初は症状がなく、見えにくくもないので、自分では気付きません。しかしゆっくり進行して、数年後には視力が落ちてきます。視力が落ちてしまってから治療をしても、残念ながらもとの視力は取り戻せないことが多いのです。


 そうならないためには、糖尿病と診断されたら、目はなんともなくても一度は眼科を受診していただくことです。視力がよくても眼科医が眼底検査をすると、網膜症が発症していることがあります。


 網膜症が起こっていても、軽症ならば血糖のコントロールをきちんとするだけで視力の低下を予防することができます。血糖コントロールだけでは不十分な場合は、網膜光凝固といって網膜の悪いところをレーザー光線で焼きつぶして進行を抑えます。


 もし糖尿病と診断されたら、とりあえず一度は眼科を受診なさってください。


 


国立病院機構 善通寺病院


眼科 小木曽 正博


一覧に戻る

Copyright (C) 2001-2006 Nakatado gun & Zentsuji city Medical Association. All Rights Reserved