避妊について(2010/02/01)

 


 全国で1年間に約26万件(平成19年度)の人工妊娠中絶が行われているとの報告がありますが、実際はこれを大きく上回ると考えられます。これらの希望しない妊娠を避けるためには避妊方法を正しく理解する必要があります。一般的に主な避妊方法は、コンドーム・IUD(子宮内避妊器具)・ピル・殺精子剤・避妊手術などがあります。


 コンドーム 日本での使用率は約80%と最も多い方法です。利点は、手軽で性感染症の予防にもなります。留意点は約15%と高い失敗率です。


 IUD 医師によって子宮内に器具を装着する方法で、時間的には5分くらいですみます。使用率は約3%です。利点は、一度装着すると、2年間使用できます。留意点は人によって、月経量が増えたり、不正出血を認めたりすることがあります。失敗率は2〜3%程度です。


 低用量ピル 卵胞ホルモンと黄体ホルモンが含まれていて、排卵を抑制し子宮内膜に受精卵が着床しにくい状態にする方法です。使用率は欧米では20〜30%ですが日本では3%と普及率は低いです。利点として、避妊効果がきわめて高くほとんど100%です。留意点は、使用方法を間違うと避妊に失敗したり、不正出血の原因にもなります。1年ごとの定期健診(子宮がん・乳がん検診、肝機能検査)が必要です。


 避妊手術 卵管を結紮切断して卵子や精子の通過を遮断する方法です。留意点は一度手術をすると妊娠は不可能となります。


 これら以外にも色々な避妊方法があります。近くの産婦人科医とよく相談し、本人に合った方法で望まない妊娠を防いでください。


 


西内産婦人科医院 西内 憲


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