とびひとみずいぼ(2010/05/06)

 夏に向けて、肌の露出が増える季節になります。今回は、子ども間の皮膚の感染症を説明します。


とびひ『伝染性膿痂疹』


 原因は、黄色ブドウ球菌やレンサ球菌という細菌でおこる皮膚の感染症です。これらの菌は健康な皮膚には感染しませんが、傷ができていたりすると感染がおこります。通常皮膚にいる菌なので免疫ができることはありません。そのため、治療中に他のお友達にうつしてしまうと、またうつし返されることは十分にあります。ですから、プールは完全に治るまで絶対禁止。また、お昼寝のある保育所、幼稚園も感染しなくなるまでお休み。お昼寝のない幼稚園でも、露出部や範囲の広い場合は、お休みにした方が良いと思います。無理して行かせても、天につばしているのと同じです。


 


みずいぼ『伝染性軟属腫』


 原因は、みずいぼのウイルスの皮膚への感染でおこります。特にプール、風呂等の肌の接触でうつります。俗に二夏経てばなくなるといわれますが、他の子の肌にうつるのですから、皮膚の弱い幼児は自分でどんどん体内にウイルスをばらまいて広がっていきます。マルチ商法と同じで、一つ二つの小さなうちにとってしまうのが良いでしょう。プールやみんなでの水あそびは禁止にした方が良いでしょう。お父さん、お母さんにもうつりますよ。


 「うつされた」と来られる親御さんが、プールや集団生活の場にそのまま自分の子どもを行かせているというような、悲しい現実が日々見受けられます。


 うつされて嫌なものは、きちんと治療して、他の子ども達に同じ思いをさせないようにしましょう。


 次の世代を担う大切な子ども達を、みんなの家族で一緒に守りましょう。


 


神野クリニック 神野 公孝


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