紫外線と眼(2010/07/01)

  梅雨が明けると、照りつける太陽の季節を迎えます。となると気になるのは紫外線。実は紫外線は春から強く、日焼けで皮膚がダメージを受けることは良く知られています。では、紫外線は眼にも悪影響を及ぼしていることをご存知でしょうか。


 まず、角膜(黒目)への影響です。紫外線を長期に浴びると、結膜(白目)から膜が角膜に伸びてくる翼状片ができやすくなります。角膜中央まで伸展して視力を落とす前に、手術で切除します。一方、紫外線を短時間でも強く浴びると、角膜の表面に小さな傷がたくさんでき激しく痛むことがあります。冬のスキー場などで雪に反射した紫外線を浴びたり(雪目)、溶接時に出る紫外線で起こります。細菌感染に注意して傷の回復を待ちます。


 次に白内障です。白内障は水晶体の蛋白質が変性して白濁する病気です。その原因の一つに、眼の中に入ってきた紫外線の影響も考えられています。


 また、紫外線は眼底の網膜の細胞にも悪影響を及ぼすと言われています。加齢黄班変性という病気で、原因は加齢以外に明らかにされていませんが、危険因子として喫煙、食事の欧米化などとともに紫外線を挙げる人もいます。治療は困難で、著しく視力を落とすこともあります。


 そこで、強い光が目に入らないようにとサングラスをかけることがありますが、サングラスを選ぶ際には念のため紫外線カットの程度もチェックしてください。また、レンズの色の濃いのをすると瞳孔が拡がり、かえって周囲からの紫外線が入りやすくなることがありますので、ご注意ください。


 


戸倉医院 戸倉 敬雄


一覧に戻る

Copyright (C) 2001-2006 Nakatado gun & Zentsuji city Medical Association. All Rights Reserved