新しい予防接種について(2010/10/01)

 最近新しい予防注射がいくつか認可され、既に受けられた方も多いと思います。少し解説しますと…。


@ヒブワクチン(任意接種)


(ヘモフィルス・インフルエンザb型)ワクチンヒブ(Hib)はヒトに髄膜炎や喉頭蓋炎をおこし、命にかかわる場合や後遺症を残すことが少なくありません。年間600人がこの菌の髄膜炎にかかっています。デンマークでは、定期接種に組み入れられた2年後に年間発生率が80分の1になりました。定期接種になっていないのは、東アジアでは北朝鮮と日本のみです。一部補助の市町村が増えています。


A小児肺炎球菌ワクチン(プレベナー・任意接種)


 2010年春から任意接種として取り入れられました。ヒブ同様、細菌性髄膜炎の原因になり年間200人の子どもが罹患し、その3分の1が命を落としたり、重い障害を残しています。2000年から定期接種になったアメリカでは、重い感染症が98%減少しました。現在世界100カ国で接種されています。日本でも一部補助の市町村が多くなっています。


B子宮頚がんワクチン(サーバリックス・任意接種)


 性交渉でのHPV(ヒトパピローマウイルス)の感染によっておきる子宮頚がんは20〜30歳代で増えています。早期からの検診も大変重要です。サーバリックスは、10歳以上の女児で3回の接種が必要です。徳島では県市町村が協力し、公費負担を決定しました。


C乾燥細胞培養日本脳炎ワクチン(定期接種)


 マウス脳を使った日本脳炎ワクチンに変わって再推奨され、T期3回とU期も検討されています。


 


 日本は世界の先進国の中で最も定期接種が少ない国です(アメリカ16種に対し日本6種)。効果よりも副作用が重視される国民性のため、厚労省もついつい手控えて今の状況になりました。少子化時代、全国・県内でも公費補助の市町村が増えてきましたので、善通寺市でも実現を期待したいものです。


 


にしかわクリニック  西川 清


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