むずむず脚症候群(2011/03/01)

 むずむず脚症候群とは、主に夜間睡眠時に下腿、特にふくらはぎや足底に、むずむず感・火照り感・蟻走感・痛み・痒みなどの不快な感覚が現れ、そのために著しい入眠困難を特徴とする睡眠障害を生じ、同時に強い焦燥感を伴う病気です。布団から足を出して冷やしたり、湿布を貼ったり、両足をバタバタさせたり、布団から抜け出して歩き回ったりすることで、症状は一時的に改善しますが、寝床につくと再び現れてきます。


 このような状態が真夜中から早朝まで続き、早朝になると比較的に症状は和らいできますが、不眠と強い焦燥感のため、時には、うつ病として治療を受けていることもあります。


 むずむず脚症候群の有病率は、おおむね人口の2〜10%にみられると報告され、年齢とともに頻度が増加し、中高年で目立ってきます。


 むずむず脚症候群は、その背景に基礎疾患があることが多く、合併する基礎疾患としては、慢性腎不全による人工透析、鉄欠乏性貧血、脊髄椎間板ヘルニアなどが知られています。


 むずむず脚症候群の治療はパーキンソン病の治療薬が有効とされ、鉄欠乏性貧血や人工透析に合併しやすいことから鉄剤も用いられます。


 誘発因子となるカフェインの摂取を避けることが必要であり、患者は夕方以降のコーヒー紅茶を控え、同様にアルコールも悪化要因になるので避けます。筋肉疲労も悪化要因なので、マッサージを入床時にすることも重要です。


 強い不眠のために睡眠薬を希望する場合も少なくありませんが、睡眠薬で眠気の強くなった状態でむずむず感が生じると余計苦痛になることが多いといわれます。


 


西山生々堂医院  西山 敬萬


一覧に戻る

Copyright (C) 2001-2006 Nakatado gun & Zentsuji city Medical Association. All Rights Reserved