内視鏡検査(胃カメラ・大腸カメラ)の進歩(2011/05/02) 昨今、内視鏡専門医でさえ日進月歩のこの分野では、向上心を失うとたちまち立ち遅れてしまう分野であります。胃・大腸などの消化管の癌治療は、薬で治すことが難しい現在、早期に小さい癌を発見し、転移を起こす前にいかに治療をするかが重要です。この内視鏡診断の実力は、バリウム造影検査の早期癌発見率をはるかに凌駕したともいわれています。内視鏡機器の向上や先人の努力により内視鏡診断学や治療は“いかに早期の癌を見つけ、内視鏡的に完治を目指す”時代になりました。現在は、内視鏡の苦痛を少しでも減らすための炭酸ガス送気装置や、早期発見のための診断サポートとして、拡大内視鏡・特殊光検査もあります。それらの新しい技術に関して簡単にご紹介させていただきます。 @拡大内視鏡 通常内視鏡の80倍から100倍前後の拡大観察を可能にし、今まで見ることのできなかった多くの消化管粘膜像を見ることができるようになっています。 A特殊光検査 粘膜表層の毛細血管像や粘膜微細模様をより鮮明に表示可能にすることができ、前述の拡大内視鏡とよく併用されます。 B炭酸ガス送気装置 検査中に使用した空気の影響で、検査終了後に腹満や不快感がある方がいました。炭酸ガスは空気より腸管内ですみやかに吸収されるため、空気のかわりに炭酸ガス(CO2)を使用することにより検査後の苦痛軽減を可能にしました。 C小腸カプセル内視鏡 日本では2007年から保険適用になりました。大きさは直径11ミリ、長さは26ミリです。これで小腸の病気の有無を検査します。ただし、現在は保険の適用としては、原因不明の消化管出血のみとなっています。
早期発見のためにも、かかりつけ医・専門医と相談し、内視鏡検査を恐れずに定期的に受けましょう。
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