芽吹き時(2012/03/01)

                                        

寒さ緩びて、2月3月の芽吹き時は、身体が冬の寒さから開放され、体調も良くなると思われがちですが、意外にも心身ともに調子を崩しやすい時期なのです。

元来、人間は冬の極寒や夏の猛暑の中でも36.5度前後の体温を維持し、無意識に心臓を動かし、呼吸をし、血圧の自動調整をしております。このように環境の変化に関係なく身体の状態を一定に保とうとする生物の性質や状態の事を恒常性(ホメオスタシス)と呼び、体温や血圧の調整、体内の水分や体液の浸透圧の調整、怪我の修復、ウィルスなどの病原体の排除などと、とても重要な働きをしています。

そして、このホメオスタシスのコントロールを主に行っているのが、自律神経・内分泌(ホルモン)・免疫等です。この時期によく出現する頭痛・めまい・だるさなどは、この気温の変化が、生体機能を調整してくれている自律神経にストレスを与え、免疫力や抵抗力を弱めて発症するわけで、単純に季節の変わり目だから体調を崩すのではなく、日頃の生活や、ストレス、食生活の乱れなど様々な要因に気温の変化が加わって、症状が現れやすくなるのです。

さて、それではその防御策は?と申しますと、日頃から自律神経を鍛え、免疫力を高める必要があります。最大の敵はストレスですから、十分な睡眠と休息、バランスの良い食事は欠かせません。常に快適な温度環境での生活は、かえって自律神経を弱めてしまいますし、抵抗力も低下してまいります。

ぬくぬくと育っている我々現代人には少々耳が痛い話ではありますが、省エネが呼ばれる今、少し我慢して生活してみるのも良いかもしれません。ただ、ちょっぴりストレスは増えそうですが…。この辺のバランスを上手にとりながら、自分に合った快適な生活を考えてみてください。

 

                                                                              森医院   森 史郎

 


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