こどもが異物を飲んだ(かもしれない?)(2012/10/01)

 

   こどもが「異物を飲んだ」場合には、「誤飲」の場合と「誤嚥」の場合があります。「誤飲」とは、異物、つまり食べ物や飲み物でないものを、誤って口から食道へ飲み込むことです。これに対して、「誤嚥」とは、口の中にあるもの(食べ物や飲み物であるか、それら以外かは無関係です)を、誤って気管や肺へ吸い込むことをいいます。 

乳児(0歳未満のこども)は、手の届く物を手当たり次第に口へ持っていくので、注意が必要です。日本は世界的にみても「誤飲」の発生頻度が異常に高いと言われています。それは、部屋の中では靴を脱ぎ、畳や床の上で生活する、という生活様式が関与していると思われます。

「誤飲」の特徴としては、全体の半数が生後6か月〜1歳に集中し、5歳以下が8割を占めます。異物を誤飲した場合、異物が食道に停滞すると、食道は狭いので異物によって食道壁が傷つくおそれがあるので、早めに摘出する必要があります。異物が胃まで進んでいる場合は、異物の種類や形によってはそのままで様子をみる場合と緊急で摘出する場合があります。緊急で摘出する異物の代表としては、電池(ボタン電池など)と先端が鋭利な異物があります。胃よりも下(十二指腸以下)へ進んだ異物は、自然に便中に出ることがほとんどであり、基本的にはそのまま経過をみることになります。

異物を「誤嚥」するケースで最も多いのは、ピーナッツなどの豆類です。乳幼児には、なるべくピーナッツなどの硬い豆類は与えないのが賢明です。誤嚥した異物は、内視鏡を使って摘出します。時間がたてば、肺炎になったり、摘出自体が難しくなってきたりします。

 

誤飲・誤嚥は、予防が第1

※生後6か月を過ぎたら、口に入るものは1m以上離れた所に置く。

※5歳以下の乳幼児には、ピーナッツなどの豆類は与えない。

 

病院を受診するとき

※飲み込んだ(かもしれない?)ものと同じものがあれば、持参する。                          

 

 

                     香川小児病院 小児外科  岩村 喜信

 


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