知っていますか?「不整脈」(2013/07/01)

「不整脈」と聞くと、「何か心臓の病気が…?」と不安になる人が多いようです。「不整脈」とは脈の乱れの総称で「不整脈」イコール「心臓病」ということではありません。

胸が一瞬ドキッとする、急にドキドキして脈が速くなる、脈が抜ける(途切れる)などということは、日常誰もが経験したことがあるでしょう。24時間心電図検査をしてみると、どんな人でも多少の不整脈は見られるものです。健康な人であっても心電図検査で不整脈が認められることは不思議ではありません。不整脈は、心臓そのものが正常であれば基本的に命に関わるものではありません。従って、不整脈のすべてが治療の対象となるのではなく、放置していてよい不整脈もあるのです。しかし一方で、治療の必要な不整脈や緊急を要する、即ち生命に関わる恐い不整脈があります。特に、血の気が引く、目の前が白くなって失神する、といった症状がある場合、脳に血液が届いていないというサインで、危険な不整脈が原因になっていることがあります。

最も大切なことは、不整脈の背景に心臓の重大な問題がないかを正しく見極めることです。さらに、不整脈の患者さんが自覚症状として訴える動悸、息切れ、めまいなどは心臓以外の病気でも見られますから、何か病気が隠れていないかを確認する必要もあります。例えば貧血、甲状腺機能異常、肺疾患、ストレスなど精神的問題、更年期障害などでも見られます。

自分の不整脈が放置しておいてよいものなのか、治療が必要なものなのか、正確な診断をしてもらうことが重要です。不整脈によって日常生活に支障を来しているようであれば、一人で悩まず医師に相談し、対策を考えてもらいましょう。

 

                         岩野循環器内科医院  岩野 健造

 


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