胸やけに要注意!(2013/10/01)

食事の後に胸やけ、胃が重苦しい、ゲップがよく出る。朝方に舌の苦みやノドの違和感(ヒリヒリ感)を感じる。これらの症状に心当たりがある方は、「逆流性食道炎」の可能性があります。

この病気は、胃液が胃から食道へ戻ってしまうことで起こります。脂っこい食べ物やアルコール、喫煙などの食生活等が原因となり、症状が出ます。また、年齢とともに、胃と食道のつなぎ目の筋肉(食道下部括約筋)が弱ってくるため、出やすくなります。

胃潰瘍や十二指腸潰瘍は、近年のヘリコバクターピロリ菌の検査により除菌療法が普及して、年々減少していますが、「逆流性食道炎」は、日本人の食生活の欧米化に伴い、激増しています。

症状が軽い時は食生活を見直して様子をみますが、症状が続いたり強くなってきたりすると、内服治療(胃酸が食道へ逆流しないよう胃酸を抑える薬)が必要となります。

「たかが胸やけ」と思うかも知れませんが、最近では、「逆流性食道炎」で胃液が逆流することで、さまざまな合併症を呈することもわかってきています。

長い間、胃酸が逆流する症状が続くと、「バレット食道」という食道粘膜になり、食道がんの危険性が高まります。また、胃液が喉まで来ると、慢性の咳が続き、これがきっかけで気管支喘息の発作を起こす場合があります。胃液が鼻まで来ると、なかなか治らない中耳炎や蓄膿症になる場合もあります。

実際の診断では、症状の詳しい問診を行い、他の疾患の除外(他の疾患がないことを確認すること)と食道の炎症の程度をみるための内視鏡検査が必要となります。

ここまでに記した症状の中に心当たりがある方は、一度病院で受診することをお勧めします。

 

 

                               愛慈胃腸科内科医院 白井 哲 先生

 


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