頭痛について(2013/11/01)

 

頭痛は、よくある症状であり、皆さまも経験されていることと思います。多くは心配のない病気ですが、中には、正しく診断・治療することが必要な病気も含まれています。

 

1.突然の発症

危険な頭痛を疑うサインの一つで、くも膜下出血が最重要で、頭痛発症の瞬

間を記憶している場合は、くも膜下出血が強く疑われます。その他、脳出血、脳静脈血栓症、未破裂血管奇形、椎骨脳底動脈解離、下垂体卒中の可能性もあります。

 

2.急性発症(数時間で激しくなるもの)

急性発症の頭痛にも危険な頭痛が隠れています。この場合、随伴症状がヒントになります。頭部外傷を伴っていれば、急性硬膜外血腫、髄膜刺激症状や発熱があれば髄膜炎、神経脱落症状があれば脳卒中が疑われます。

 

3.亜急性発症(数週間から数か月単位のもの)

亜急性発症の頭痛も多く、慢性硬膜下血腫、脳腫瘍、副鼻腔炎が代表的な

病気です。

 

4.慢性頭痛

  成人は緊張性頭痛、片頭痛の頻度が高いので、低髄圧では姿勢による変化を確認しておきましょう。

 

頭全体の頭痛では緊張性頭痛、片頭痛、アルコール摂取に伴う二日酔いなどが多くみられます。しかし、髄膜炎、一酸化炭素中毒、脳腫瘍、慢性硬膜下血腫の可能性もあります。

片側性の頭痛では、片頭痛が多いのですが、側頭動脈炎の鑑別も必要となります。前頭部痛では、片頭痛と副鼻腔炎が多いようですが、緑内障を疑う必要があります。後頭部痛には、その他の緊張性頭痛、変形性頸椎症、後頭神経痛があります。

副鼻腔炎では、前屈位をとると、眼窩付近に痛みを感じます。脳腫瘍の頭痛は、前屈位、咳、くしゃみで胸腔内圧を上げると、吐き気、嘔吐を伴い、数か月の経過で悪化します。

 

 

                                西山生々堂医院 西山 敬萬 先生

 


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