感染と発熱(2015/01/05)

  「発熱」とは、一般的に37.5度以上と定められていますが、一日の体温の変動を考えると、だいたい平熱より1度以上高いようでしたら「熱がある」と判断されます。ウイルス等の病原菌は熱に弱いということと、発熱が免疫力を高める働きを持つため、発熱は、人間が昔から持っている生体防御反応の一つであると考えられています。

感染すると生体防御が反応し、発熱物質が放出され、寒気を伴い、血管を収縮させて震えをおこすことで体温を上昇させます。そのため、この時期には身体を暖める必要があります。一旦熱が上がり切ってしまうと寒気や震えは止まり、身体も熱く感じます。今度は熱の放散を妨げないように普通の衣服の状態に戻し、水分補給や、必要に応じて頭を冷やすのが効果的です。逆に熱が下がる時には血管が拡張し汗が出てきますので、脱水に気をつけてください。

また、生体防御機能である発熱により病原菌の増殖を抑え、免疫力を高めるという意味では、高熱があるからといってむやみに解熱剤を使用する必要はありません。もちろん平熱まで下げる必要もありません。高熱でしんどそうでしたら、なるべく熱が上がりきってから使用しましょう。

発熱に関しては、次の内容に留意ください。

41度未満の発熱であれば、熱そのものによる害はないといわれています。

・熱の高さと重症度は決して比例しません。微熱でも全身状態が悪い時は要注意です。

・頭を冷やすことで解熱効果はあまり期待できませんが、気持ちいいという点では無意味ではありません。

4か月未満の乳児の発熱には特に注意が必要です。

・欧米では発熱時の入浴をあまり規制していません。微熱程度でしたらお風呂はかまわないと考えます。

 

         森医院   森 史郎


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