「イクメン」をご存知ですか?(2015/05/01)

   「イクメン」という言葉があります。育児と男たちを合わせた造語です。これは平成22年の育児・介護休業法改正をきっかけに、男性の育児参加の社会的気運を高めることを目的として厚生労働省が推進しているプロジェクトです。この中でイクメンを「子育てを楽しみ、自分自身も成長する、または将来そんな人生を送ろうとしている男性」として、ホームページもつくられています。

こういった背景には少子化対策の一環として、男性の育児参加を求める目的があります。ちなみに日本の育児休暇取得率は女性90%に対し、男性1%強と諸外国と比べて極端に低い、という事実があります。(ちなみにスウェーデンは80%)

では、男性の育児参加とは具体的にどういったことなのでしょう。人間は哺乳類です。「乳」という言葉があるようにおっぱいを飲んで育つ動物の仲間です。哺乳類の子育てはメスが中心であり、基本オスは参加しません。ですから動物学的には人間の子育てもお母さんが中心とならざるを得ない面があります。ただ人間の育児は体を大きくするだけではだめで、複雑な社会の中で身につけさせないといけないことが多くあり、とても大変です。お父さんができる範囲で積極的に育児や家事に参加することは、お母さんの肉体的・精神的負担を減らす意味でも重要です。ただその一方で「イクメンもどき」、「やりすぎイクメン」などといわれる男性の自己満足的な育児参加も問題になっています。

男性の育児参加については、時代やその土地の習慣風習によって違いがあります。でも何より大切なのは家族や夫婦の考え方です。人に言われてイクメンになる必要はありませんし、試験のように共通の正解があるわけではありません。でも世の男性たちはこれをきっかけに、今一度自分のお子さんやお孫さんの子育てについて考えてみるのも悪いことではないような気がします。

                 

                谷病院   谷 政明


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