貼り薬(貼付薬)について(2015/08/03) 貼り薬といえば、筋関節の鎮痛剤としての湿布を思い浮かべますが、最近では心臓・喘息薬、さらには麻薬まであり、よく使用されています。貼り薬でも飲み薬でも注射点滴薬・塗り薬でも通常、薬は血中に吸収され、それが目標に到達し、その効果を発現することはみな同じです。到達経路(ルート)の差があるだけです。 貼り薬の利点として、 @ 薬剤血中濃度を一定に保つことができ、飲み薬ほど血中濃度が上下しない。 A 副作用出現時に対処しやすい(すぐはがせる)。 B 胃腸・食道などに疾患があっても使用できる。 C 貼る部位をおおよそ決めておけば、貼り忘れに気付かれやすい。 などがあります。 注意点として、先述のように薬剤は体内に吸収されますので、薬理効果は貼った部位だけでなく全身に及びます。そのため、決められた枚数以上に貼らないことが大切です。飲み薬でも1錠でよいところを3錠も4錠も飲むのは危険であるのと同じです。よく、あちこちが痛いといって全身に経皮吸収型鎮痛剤を貼っている人がいますが、これは極めて危険です。鎮痛剤が皮膚から吸収され、用量オーバーを起こします。 なお、鎮痛剤として使用頻度の高いケトプロフェン入りの貼り薬の場合、光線過敏症を誘発することがあります。これは貼付後数日以内ばかりでなく、1か月以上経ってからも発現することがあり、要注意です。
山下内科医院 山下 正樹 |
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