ドライアイ(2016/01/04)

   冬になると空気が乾燥し、火災が発生しやすくなります。目にも乾燥が原因で、黒目(角膜)に傷ができたりするドライアイがあります。

日本では2,200万人ものドライアイ患者さんがいるといわれています。中でも事務職の方では3人に1人がドライアイという報告もあり、年々増加しています。

ドライアイの症状は目の乾燥感だけでなく、異物感、白っぽい目やにが出る、疲れる、まぶしい、かすんで見えるなどや、涙が出る(うるむ)というドライアイのイメージとは相反するものもあります。

ドライアイを引き起こす要因には、パソコンやスマホの画面を見ることによる瞬きの減少、エアコンなどの乾燥した環境、コンタクトレンズの装用(これら3つ合わせて3コンと呼んでいます)や、まぶたの縁から分泌される油が出にくくなり涙の表面の油膜が減少して涙が蒸発しやすくなるなどがあります。

検査では、小さな専用の紙をまぶたに挟んで一定の時間で涙がどれだけにじむかを測定したり、瞬きを10秒間しない間に黒目の表面の涙の膜が途切れないかをみます。

治療には、潤いを維持させる点眼薬や、眼表面の涙を保持する粘膜に働く点眼薬などを用います。ほかにも保湿用の眼鏡や、やや重症の方にはまぶたの目頭側にある涙の下水口の涙点に栓(涙点プラグ)をして涙を貯めることも行います。もちろん上記の要因の改善(パソコンの画面は目よりも下にして適度の休憩をとる、エアコンの風に直接当たらない、コンタクトレンズの使用時間を短くする、まぶたを蒸しタオルなどで温めて油を出やすくする)は大事です。

涙は目を守るバリアのような働きをしています。何となく目に不快感がある方は、涙の量の不足や質の変化がないかのチェックを受けてみてはいかがでしょうか。

 

            戸倉医院  戸倉 敬雄 

  


一覧に戻る

Copyright (C) 2001-2006 Nakatado gun & Zentsuji city Medical Association. All Rights Reserved