白内障と緑内障(2016/02/01)

  白内障とは、目の中のレンズ(水晶体)が濁ってくることです。水晶体は本来透明ですが、老化現象により誰でも60歳くらいから濁り始めます。したがって60歳以上の方は皆さん多かれ少なかれ白内障があります。濁りが軽ければ支障はありませんが、濁りが強くなるとすりガラスを通して物を見るのと似た状態になります。白内障に効果のある薬は今のところありません。かすみはメガネをかけてもとれませんので、治療は手術になります。手術を行えばかすみがとれることがほとんどです。局所麻酔で20分程度の手術です。眼科医にご相談ください。

緑内障は、老化現象である白内障と違い、病気です。眼の中には常に眼圧という、風船を膨らませるような力がかかり、一定の張りのある状態が保たれています。眼圧は生まれてから死ぬまで、起きているときも寝ているときもかかっているので、人によっては老年期になると眼圧により網膜が圧迫されて徐々につぶれてくることがあります。これが緑内障で、視野が鼻側から少しずつ欠けてきます。視野が欠けても視力は落ちないので、自分では気がつきにくいです。治療は眼圧を下げる目薬で進行を遅らせることです。欠けた視野は回復しません。目薬で眼圧が下がらない場合のみ、眼圧を下げる手術をしますが、視野が回復することはありません。ただし今は良い目薬がいろいろあるので、手術が必要となることは少なくなっています。緑内障患者さんは40歳以上の方の4%程度といわれます。人間ドック、検診などで緑内障の可能性を調べることができます。

 

                      四国こどもとおとなの医療センター 眼科医長  小木曽 正博


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