進む関節リウマチ治療(2016/12/01)

  最近の医学の発展で、治療に大きく貢献している病気に関節リウマチがあります。関節リウマチは、関節の表面を覆っている滑膜という部分に炎症が起こる病気です。関節が痛くて、進行すると変形していく場合が多くあります。初期段階では、朝方に手足の関節がこわばる感じがあり、両側の複数の関節に痛みが起こってきます。関節以外にも、皮下結節(リウマトイド結節)、血管炎(リウマチ性血管炎)、皮膚潰瘍、肺の炎症(肺繊維症、間質性肺炎)、貧血、だるさ、疲労感などを伴うことがあり、全身性の病気とされます。

 日本人の人口の約0.31.5%(70万人以上)に発病し、男女比は男性が1に対して、女性が3〜4と女性の方が多い傾向にあります。また、発症年齢のピークは、3050代といわれています。

 治療は関節の炎症を抑えることが第一になります。従来は、消炎鎮痛薬や抗リウマチ薬が使われています。関節リウマチの原因が免疫異常にあると考えられることから、副腎皮質ステロイド薬など免疫抑制薬も使います。

 最近の治療薬には、生物学的製剤とよばれるものがあります。炎症に関連するさまざまな化学物質に特異的に結合して炎症反応を抑え込みます。

 このようにして治療薬、そして検査機能の進歩があり、早期に発見、治療を開始すれば症状を改善させることができます。このため、以前は慢性関節リウマチとよばれていましたが、現在では『慢性』という表記がとれています。関節リウマチの診断や治療には、リウマチ膠原病科などの専門医の相談を受けることが勧められます。まずは、気になることがあれば、悩まずに近くのお医者さんに受診してください。

 

ふじた医院   藤田 博崇


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