子育ては大変(2018/01/04)

    イクメン、イクケン、男の育児休暇など最近育児に関する話題をよく耳にします。今回は『子育て』について考えてみたいと思います。

自然界で『子育てをする動物』は、主に鳥類哺乳類です。鳥は卵を産みますが魚などと違い孵化するまで卵を温め、エサも夫婦して子のために調達します。オスの育児参加です。一方哺乳類は赤ちゃんとして生まれ、その名のとおりお乳で育てます。そのため自然界ではメスが育児の役割を担い、オスの育児参加は限られます。ただ『子育てをする動物』の特徴は『少なく生まれた子を大事に育てる動物』であることです。

 では人間にあてはめてみるとどうでしょうか。ヒトは基本ひとりの子どもを妊娠出産します。これは本当に大切に育てていく必要があります。また人間の場合は子どもをただ大きくさせるだけではなく、複雑な人間の社会の中で生活していく能力や学問なども身につけていかなければいけません。ますます大変です。

 産業革命が専業主婦をつくったとういう説がありますが、昔はお父さんが働いてお母さんは育児を含め家事を行うという図式がありました。また大家族でおばあちゃんやおじいちゃん、お姉ちゃんやお兄ちゃん、はたまた近所のおばさんといった人たちが育児に参加していました。でも今は核家族化し、お母さんにかかる負担が増すばかりです。また女性の社会進出も進み、育児環境は大きく変化しています。

 ではどうしたらいいのでしょうか。正しい答えはないと思いますが、一度動物の世界や昔を振り返ると解決方法が見つかるかもしれません。鳥は夫婦でエサを運びます。象は群れで子どもを守ります。自分一人で頑張ろうとせずに、短時間でもシチュエーションに合わせてご主人さん・ご両親・ご姉妹・ママ友達に頼ってみるのも一手ではないでしょうか。人間は母乳の冷凍保存、人工乳といった哺乳動物にない秘密兵器を持っています。

 

 

谷病院   谷 政明


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