便潜血陽性=大腸がん?(2018/02/01) 大腸がん検診として知られている便潜血検査ですが、陽性だからといって必ずしも大腸がんであるとは限りません。6〜7%が陽性になる検査であり、その陽性の人に精密検査をした場合、大腸がんが見つかる確率は3〜4%といわれています。また、陽性となる病気は大腸がんだけではなく潰瘍性大腸炎、クローン病などの大腸に慢性的に炎症が起こる病気、大腸憩室症、肛門からの出血(内痔核、切れ痔など)などもあります。逆に陰性だからといって、油断はできません。進行大腸がんがあった場合でも必ず陽性になるわけではなく、10〜20%は陰性になってしまいます。ではどうすればいいのでしょうか。ここで大切なことは便潜血検査の結果にかかわらず放置しないということです。陽性であれば精密検査を受け、陰性であっても翌年以降も便潜血検査を受け続けることが病気の早期発見につながります。 精密検査では内視鏡検査(大腸カメラ)をすることが多く、大腸がんの発見率が一番高い検査になります。しかし、大腸カメラと聞くとしんどそう、恥ずかしいなどの先入観があるかと思います。実際に便潜血陽性のうち約半数の人が放置してしまっているという報告もあります。痔のせいで便潜血が陽性になったと思い込み放置してしまう例もあります。できるだけ大腸カメラを受けてもらうためにCO2送気(腸管からの吸収が早く検査中・検査後のお腹の張りが軽減されます)を使用する、鎮静剤(眠たくなります)を使用するなど、比較的苦痛の少ない方法での検査ができるようになっています。(胃カメラでも同様に使用できます)大腸がんは女性の死因第1位、男性でも第3位で40歳代から確率が上がり、50〜70歳代に発症しやすく60歳代にピークがあるとされています。症状がなくても40歳代では便潜血検査を、50歳以降では大腸カメラを一度考えてみてはいかがでしょうか。
アイシークリニック 野上 晃司 |
Copyright (C) 2001-2006 Nakatado gun & Zentsuji city Medical Association. All Rights Reserved |