加齢黄斑変性(2018/08/01)

  網膜で、目に入った光が屈折して焦点を結ぶ箇所を『黄斑』といいます。網膜の中心です。黄斑の細胞は、ものを見るために常に活発に活動しています。その結果、老廃物が発生しますが、すぐに周りの細胞に分解されます。ところが加齢により、老廃物を分解する力が落ちると、網膜の下に老廃物がたまり、たまった老廃物に対して慢性的な炎症が起こります。すると炎症に反応して、網膜の下にある脈絡膜から『新生血管』という異常な血管が生えてきます。新生血管は壁が薄く、水分が漏れたり、出血したりするので、視野の中心が暗くなったりゆがんだりします。これが加齢黄斑変性という病気です。

 以前は治療困難でしたが、数年前に治療薬が開発され、これを眼球に注射することで、悪化を防ぐことができるようになりました。早期に治療すれば正常な視力を保つことも可能です。

 黄斑変性の初期症状は「ものがゆがんで見える」「真っすぐな線が波打って見える」ことです。そういった症状のある方は、早めに眼科を受診してください。

 なお、たばこを吸う方は吸わない方に比べ、黄斑変性になる割合が4〜5倍高いといわれています。なるべく禁煙しましょう。

 

 

                         四国こどもとおとなの医療センター 眼科   小木曽 正博


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