便秘の薬も時には怖い!(2018/11/01)

 便秘のときに病院で処方されるお薬、酸化マグネシウム(Mg)製剤は、安価で副作用も少なく使いやすいため、古くから多くの人が服用しています。

 しかし、このお薬を長期間にわたり服用している患者さんや腎臓に病気がある患者さん、また高齢の患者さんでは、副作用として『高マグネシウム血症』が報告されており、時に重篤な状態になることがありますので注意が必要です。

 高マグネシウム血症の初期症状としては、吐き気や嘔吐、口渇、立ちくらみ、めまい、徐脈(脈が遅くなる)、皮膚が赤くなる、力が入りにくくなる、体がだるい、傾眠(眠気でぼんやりとする、うとうとする)などの症状が現れます。そして放置しておくと、息苦しい、意識がもうろうとする、血圧低下、心停止など重篤な状態になることがありますので、早めに医療機関を受診することが大切です。

 また、高マグネシウム血症は心電図異常(徐脈、PR延長、QT延長など)として、たまたま検診で発見されることもあります。

 便秘薬(酸化マグネシウム製剤)を長期間服用している人で心当たりのある場合は、主治医に相談してください。血中マグネシウム濃度を測定することで適切な診断、指導(中止や変更)、処置を受けることが可能です。早めに発見し、適切な処置を行えば大事に至ることはほとんどありません。

 

主な酸化マグネシウム製剤

◆酸化マグネシウム原末・錠・細粒

◆重質酸化マグネシウム

◆マグラックス細粒・錠

◆重カマ

◆マグミット細粒・錠

 

 

                                   岩野循環器内科医院   岩野 健造


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