胸やけは病気?(2020/06/01)

 みなさんも一度は胸やけという症状を自覚されたことがあるのではないでしょうか?胸やけとは、ムカムカする、胃もたれがある、胸がやける、胸が痛い、胸に違和感があるなど表現は人によってさまざまです。甘いもの、辛いもの、揚げものなどを食べ過ぎたり、単純に食べ過ぎた時に胸やけは起こります。食べ過ぎが原因の時は食べ物の消化が進むにつれて治るため、一時的であり問題ありません。しかし月に数回、または週に数回、胸やけを自覚するようであれば今度は病気の可能性が高くなります。

 では胸やけを起こす病気にはどんなものがあるのでしょうか。『逆流性食道炎』という病名には比較的なじみがあるのではないかと思います。胃酸が食道に逆流することで食道の粘膜に障害(炎症)が起こり、胸やけ症状が出現します。逆流性食道炎は別名で『びらん性胃食道逆流症』とも呼ばれています。

 びらんとは粘膜障害のことを指し、粘膜障害のない胃食道逆流症もあるからです(胸やけ症状は同様にあります)。この胃食道逆流症は生活習慣を見直すことで改善することがあります。肥満があると胃酸が逆流しやすくなり症状がひどくなってしまうので、体重を減らすことで症状の改善が期待できます。また食後すぐ横にならない(就寝前の食事も含む)、食べ過ぎないことでも予防、症状の改善につながります。飲み物ではアルコール、コーヒー、炭酸飲料なども避けた方がよいといわれています。

 生活習慣の改善以外にもお薬による治療があります。原因となる胃酸を抑えるお薬を飲んでもらうことです。効果が弱い時は量を増やしたり、消化管の動きをよくするお薬、漢方薬などを併用することもあります。このようなお薬によって改善しない場合は他の病気の可能性も考えられるため、胸やけ症状があればまずは胃カメラで確認してもらうことが今後の安心につながるように思います。

 

                            アイシークリニック   野上 晃司


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