新型コロナウイルス感染症(COVID−19)と心臓病(2021/04/01)

 心臓病の人が【COVID−19】に感染しやすいということはありませんが、心臓に基礎疾患がある人が感染した場合は、重症化しやすいことが報告されています。

 このウイルスは心臓そのものに感染し、さまざまな心臓機能障害を引き起こすことがわかっています。例えば、心筋障害・心血管障害・不整脈・血栓性疾患などで、特に心筋炎を起こすと重篤な状態に陥り、死亡率が高くなります。

 この心筋炎の主な症状は、胸の痛み・致死的不整脈・心不全などです。感染から回復した人の約6割にこの心筋炎の症状がみられたという報告もありますので、特に心臓に疾患のある人はマスクや手洗いなどの感染予防対策、また3密を避けるなどの生活を緩めないよう注意してください。

 さらに心臓への負担となる生活習慣病(高血圧、糖尿病、脂質異常症、肥満、喫煙など)・慢性的な過労や運動不足・睡眠障害・精神的ストレス・深酒なども、日頃から自己管理に努めておくことが重要です。

 これらのことが、もし【COVID−19】に感染しても重篤になるリスクを下げ、生命を守ることになるのです。

 

                                           岩野循環器内科医院   岩野 健造


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