おうち時間が多い時だからこそ注意したいこと(2021/05/06)

 2020年春より新型コロナウイルス感染症の影響で、おうち時間が増えている方が多いのではないでしょうか。また、自粛の影響で検診も止まり、予定されていた方も受けられなかった方が多いのではないでしょうか。日本総合検診医学会の報告によると、令和2年1月から9月に行われた健康診断受診者は約1400万人であったそうで、前年同期は約2100万人であったことから、2/3程度まで減ったとのことです。癌の検診をみても、昨年4月および5月は、前年度と比べ、癌の種類により50%〜90%減少したとの報告が出されております。当院でも春の検診は中止となっており、その影響からか、当院において昨年から今年にかけて、早期の癌の方が少ないように思われます。その代わり、症状を持つ進行癌の方が増えているように思われます。ここ1年間を振り返ると、腸が詰まる腸閉塞を伴う大腸癌が多くなっています。

 よく患者さんから癌の診断を伝えると、症状がないことを驚かれます。虫垂炎や胆嚢炎など多くの疾患が初期から腹痛や発熱を伴うため、癌も初期の段階から症状が出るものと思われる方もおられます。しかし多くの場合、初期から中期の癌では症状を欠くことが多く、症状が出た頃は相当な進行癌になっている場合が、少なく無いように思われます。

 現在の新型コロナウイルス感染症が広がり、医療や公衆衛生が身近に感じられた時代もないのではないでしょうか。今一度ご自身の体を見直す良い機会と考え、当院もしくは地域の医療機関に検診の相談などしていただければ幸いです。

 

                 四国こどもとおとなの医療センター 外科医長   湊 拓也


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