CGRPと片頭痛(2021/12/01)

 片頭痛は女性に多く、『頭痛持ち』といわれる方の多くは、片頭痛と思われます。トリプタン製剤の出現により、頭痛発作の改善は可能となりましたが、これまでの治療薬では片頭痛の予防効果がいまひとつで、発作回数、頭痛持続日数の改善は困難でした。

 最近、新しい片頭痛治療薬(予防薬)が発売されました。CGRP阻害製剤(CGRP抗体、CGRP受容体抗体製剤)です。CGRP(カルシトニン遺伝子関連ペプチド)は、さまざまなストレスにより頭蓋内三叉神経終末で放出され、その刺激が脳に伝わり片頭痛が起こるといわれています。このCGRPの脳への伝達をブロックするものがこの新しい薬です。

 実際は、月1回の皮下注射を行います。治療効果は高く、治療翌日には効果がみられ、片頭痛日数を約50%減らせるようです。完全に頭痛が消失した方もいます。当院での使用例でも、患者さんに笑顔が戻り、楽そうな感じが見受けられました。生物学的製剤なので、薬価が非常に高いですが、勉強・仕事など生活面で影響のある方には一度お勧めします。

 

                                                          行天クリニック   行天 徹矢


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