逆流性食道炎(2002/05/02)
現在高齢化社会が進み、元気なお年寄りが大勢増えている。しかし背中や腰の曲がってきたお年寄りの中には、この病気のため、しつこい胸やけに悩まされる方が多くみられるようになった。
 その多くは女性で60歳を境に年齢とともに患者さんの数も多くなり、症状も重くなる傾向がある。一方、男性の患者さんは少なく、その程度も軽いものである。
 自身の症状は胸焼け、胸が熱い、胸が重い、じかじか、きやきやするというもの、または酸っぱいものがあがってくる、コーヒーの様なものを吐くということもある。
 胃内容物が胃から食道へ逆流する現象を「胃食道逆流」という。
 特にお年寄りでは胃食道逆流の回数が多くなったり、逆流物が食道内に長く停滞したり、胃液の酸度が強いと、食堂下部の粘膜が傷害されて、逆流性食道炎を発病しやすくなる。
 これまでに述べた症状から自己診断もできる。診療では、胃食道逆流性の有無は、胃癌検診などでするようにバリウムを飲んで、レントゲン透視撮影をすると、よく分かる。また食道下部の
粘膜の傷害の有無や重症度は食道・胃内視鏡検査により明らかになる。
 逆流性食道炎を治療しないで放置していると次第に重症になるので、日常生活様式を改める必要がある。@重いものを持ち上げない、前屈みの仕事(草ぬき)をしないA食後横に寝ないB脂肪、甘味、香辛料、酸味の強いしょくひんを控えるCコルセットやベルトなどきつくしないことD胃を悪くする薬を避けることなどが大切である。
近年開発された新薬(オメプラール、タケプロンなど)で、その治療効果が確かめられ、健康保健でも長期使用が認められたことで、関係者の間でとみに関心が高まっている病気である。 
                  
                    吉田医院   吉田 匡 

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