草刈り機と眼(2002/07/25)
 雑草がどんどん生える季節です。広い範囲では抜くのも大変ですので、草刈り機のお世話になることも多いですね。そんなとき、皆さんはゴーグルをされてます?この暑いのにゴーグルなんかしてられますかいな、というのが大方のお気持ちでしょう。でも、ちょっと聞いてください。ゴーグルをされてない方は失明の危険にさらされているというのをご存じですか。といいますのは、草刈り機の刃が鉄製の場合、草刈り中に刃が石に当たって欠け、その欠けた鉄片が眼に飛び込んでくることがあるのです。この鉄片が眼の中まで入ると、鉄片は眼の中で錆びていき、そのまま放置すると失明してしまいます。こんな恐ろしいことが、毎年、日本のどこかで起きているのです。小さな石が飛び込んでくることもあるでしょうが、鉄片は鋭利なため眼内に入りやすいのです。眼内に入った鉄片を取る手術は難しく、また、溶けた鉄イオンが網膜などの組織に入り込んだ場合は、治療不可能で失明に至ることがあります。こうならないよう、草刈り機を使われるときには必ずゴーグルをかけていただきたいのです。ゴーグルは暑苦しいし、めんどうなので眼鏡でいいのでは、とお思いの方もおられるでしょう。しかし、眼鏡では皮膚とのすきまから鉄片が飛び込んでくるので、ゴーグルでなければだめなのです。それと、周囲に人がいるときは同様の危険性がありますので草刈り機は使わないでくださいね。
 よく似たケースに、金づちを使用中に金づちの頭の一部が欠け、眼に飛び込んでくる場合があります。金づちの頭がささくれてないか、注意しておいてください。

                戸倉医院   戸倉 敬雄

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