高血圧症のはなし(2002/11/29)
 日本での高血圧症の患者さんは、二千万人にのぼると言われており、最も頻度の高い成人病です。そのうちでお年寄りの高血圧の特徴は短時間内での血圧の変動が大きいことです。臨床的に問題となるのは、@白衣高血圧、A早朝高血圧、B夜間に下がらない血圧の三つが重要です。
 @の白衣高血圧は、本来正常の血圧の人が、病院や診療所を受診した際の一過性の血圧上昇をおこすものです。これは、高齢になるほど増加しますが、数種類の降圧薬によっても消失せず、数回の受診によっても慣れの現象を生じないのが特徴です。更にこれは性格とは異なって現れます。ただ、これは本当の高血圧症の前段階と考えられ、五〜六年の追跡調査をしますと、その四分の三は真の高血圧症になっていっております。
 次にAの早朝高血圧ですが早朝は脳心血管障害の多発する時間帯です。早朝の著しい高血圧がその発症に関係している可能性があります。早朝高血圧を呈するもののうち(T)夜間の高血圧がそのまま起床時まで持続するタイプと、(U)夜間の血圧は低いのですが、起床とともに、急激に血圧が上昇するタイプに分けられます。
 (T)は各臓器障害を進展させるとされ(U)は脳心血管障害をおこさせるものとして重要です。
 Bは、夜間に血圧が下降しないものです。健常な人は昼間活動時に血圧は上昇し、夜間睡眠時に低下するのです。しかし夜間睡眠時においても血圧が下降しない例があります。これは高齢になるに従い増加し、八十歳以上では半数以上の人にみられます。これらの人は、夜間血圧が下がる人に比べて脳心血管障害を生じやすくなっており、夜間の血圧管理が大事になってきます。二十四時間血圧計を使って夜間の血圧を測定し、それに対しての降圧剤の選択をする必要があります。
 かかりつけの医師とよくご相談し、脳心血管障害をおこさないように注意しましょう。

             善通寺前田病院   前田 隆史

一覧に戻る

Copyright (C) 2001-2006 Nakatado gun & Zentsuji city Medical Association. All Rights Reserved