増えている乳がん、乳がんの自己検診(2003/05/06)
増えている乳がん

 女性のがんのうち、子宮がんによる死亡率は減っていますが、乳がんによる死亡は目立って増えています。
 従来、わが国の女性の乳がんは、閉経前が多かったのですが、近年アメリカ女性なみの閉経後が多くなっています。原因として、初潮が早くなったこと、閉経期が遅くなったこと、食生活の欧米化による動物性脂肪のとりすぎが考えられています。その他に、乳がんにかかりやすい人として、未婚の人、高年齢で初産の人、子どもの少ない人、また遺伝もあり母親が乳がんになるとその娘が乳がんになる率は少し高く、しかもその年齢は母親がなったときよりも若い。授乳期間が短いと乳がんになりやすいといわれましたが長期授乳は乳がんを予防出来ないことがわかりました。また、片方の乳がんを手術した人が反対側にも出来ることがあります。ただ日本人の乳がんは白人の比べて治療成績が良いのです。ホルモンの関係ではないかといわれています。
 乳がんの治療としては、以前は大きく乳房を切り取る乳房切断術が行われていましたが、最近では乳房を残す温存手術と放射線治療やホルモン療法、科学療法の併用が多くなって治療成績もよくなってきました。

乳がんの自己検診 

 乳がんは自分で見つけられる数少ないがんの一つです。生理のある人は生理が終わってから、閉経後の人は日を決めて毎月一回普段から自分のお乳をさわって平素の状態が分かっていれば将来しこりが出来た時にそれが分かります。入浴時鏡に向かって乳房のくぼみや、引きつれがないか確かめます。乳房のさわり方は、仰向けに寝てつまんだりしないで、指を揃えてその腹で全体を静かになでればよいのです。しこりがあれば医者に診せてください。
 乳がんも他のがんと同じく早く見つけて治療すれば、殆ど治すことができます。

         西山生々堂医院  西山 敬萬

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