重症急性呼吸器症候群(SARS)に対する消毒法(2003/05/14)
1.重症急性呼吸器症候群(SARS)の病原体と推定されている新型コロナウイルスは、重篤な症状を引き起こすことや、本ウイルスに関する詳細については未だ明らかにされていないことなどから、本ウイルスに対しては厳重な消毒を行っておく必要があります。

2.コロナウイルスは、エンペロープと呼ばれる膜を有するウイルスで過酢酸(アセサイドRなど)、グルタラール(ステリスコープR、サイデックスRなど)、次亜塩素ナトリウム(ジアノックR、ピューラックスR、ミルトンRなど)、アルコール(消毒用エタノール、70v/v%iイソプロパノール)、およびポピドンヨード(イソジンR、ネグミンRなど)などが有効です。

3.手指消毒には、速乾性手指消毒薬(ビビスコールR、ヒピソフトRなど)を用います。

4.患者が退室した病室の消毒は、オーバーテーブル、ベッド柵、椅子、机およびドアノブなどに対するアルコール清拭で対応してください。アルコールの代わりに、0.1%(1,000ppm)次亜塩素酸ナトリウム(ジアノックR、ピューラックスR、ミルトンRなど)を用いても差し支えありません。なお、天井、壁、および床などの消毒は、喀痰などの付着ががない限り不要です。

5.ベドマット、毛布、およびシーツなどのリネン類の消毒は80℃・10分間の熱水洗濯が適しています。ただし、80℃・10分間の熱水洗濯が行える洗濯機がない場合には、0.1%(1,000ppm)次亜塩素酸ナトリウム(ジアノックR、ピューラックスR、ミルトンRなど)への30分間浸漬で対応してください。

6.患者に関して発生した感染性廃棄物を扱う際には、注射針などによる外傷に注意し、バイオハザードと明記された漏出しない強靭な袋あるいはゴミ箱に入れ、安全に廃棄してください。


 なお、以上の方法で、消毒する場合は、適切な感染予防装備と手順に従って行ってください。

                  厚生労働省医薬局安全対策課

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