軽症の認知症に対する早期発見・早期治療(2005/07/01)
 認知症は、治らない病気と言われていました。これは、患者さんが重症になってから医療施設を訪れていたからです。しかし現在では、軽症の認知症に対して早期発見、早期治療がなされています。
 この時期に脳リハビリをスタートさせると、症状を改善させ、数年間も良い状態を維持することができるようです。更に認知症発症以前であれば、予防も可能といわれています。
 認知症は、軽症から中等度、重症へと約二〜三年を経て進行します。軽症から中等度のレベルで治療、脳リハビリをスタートさせると回復させることが可能と言われています。しかし、重症となると困難です。
 軽症とは、「年のせいだ」と言われている頃に、もう病気が始まっています。日常生活で意欲がなくなり、物に感動しなくなり、自発的に計画した生活ができなくなって、一般社会で問題が発生した頃です。中等度になると、問題は家庭内でも発生してきます。しかし、まだ自分の身の回りのことはできます。このレベル位までなら回復は可能と言われています。これを越えると回復は困難です。
 認知症は、その多くは「心の生活習慣病」と言われる廃甲型認知症とも言われ、薬物治療と共に脳リハビリが必要です。また、この治療には、家族の理解と協力が必要です。
 最近は、国・社会も認知症に対して、早期発見、早期治療、更に予防へと取り組んでいます。
 この問題は、誰もが心配な事と思います。何か気に掛かることがありましたら、専門の施設にご相談ください。

大杉脳神経外科医院
大杉 保

一覧に戻る

Copyright (C) 2001-2006 Nakatado gun & Zentsuji city Medical Association. All Rights Reserved