〜 ストレスに負けない心 〜(2006/02/01)


 ストレスとは、本来は環境からの刺激(ストレッサー)によって起こる生体の反応のことをいいます。この四年間自殺者数がそれ以前の三倍に急増しています。その中の多くは心理社会的ストレス(職場環境、人間関係、労働時間の増加など)によるものといわれています。
 社会的ストレスは、人間が生きている限り避けてとおることはできません。基本は戦うか逃げるかですが、上手な対応ができればストレスを減弱させられます。ストレスの原因になっている問題に取り組むか、ストレスによって生じた負(陰性)の感情(うつ、不安、イライラ、怒りなど)をその人がそのときにできるやり方(音楽、読書、散歩、運動、片付けなど)で、少しでも気を楽(陽性)にさせることが必要です。
 子供についても同じことですが、昔と異なり、遊びながらストレス対処を学ぶことは困難な時代です。大人が見守るなかで、適度のストレスを体験しつつ対処する能力を身につけてもらうしかありません。大人が大人になりにくい現今、子供は自分自身を守るしかない状況になりました。昨年に頻発した、幼児を対象にした悲惨な事件もこのことと無縁ではないと考えます。将来的には地球規模の環境破壊、戦争、飢餓、貧富の差、日本では顕著になる高齢化と人口減少など、子供を取り巻く環境はますます擬似でなく現実のストレスの増加が確実になってきます。この現象から子供を守るにはどうすればよいのか大人たちが考えるしかありません。

中島クリニック・中島 大作

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