〜 アレルギー性鼻炎と水泳 〜(2006/07/01)

 日本人の四人に一人は何かしらのアレルギーがあるといわれています。プールで泳ぐことがアレルギー性鼻炎にとって良いのかどうか!? 金魚を飼う時でも「日なた水」を利用しますが、これは水道水中の塩素を取り除いているのです。プールの水は、水道水の上に更に塩素を加え濃度を濃くしています。子どもたちはその中で泳いでいるのです。体力向上には良いのですから止めなさいとは言いませんが、注意事項を守って楽しんでください。
 アレルギー性鼻炎にとってプール中の塩素は、プールの中でするおしっこの窒素と化合して三塩化窒素が多いか少ないかにより鼻がつまったり、水洟が多く出たりするのです。スイミングスクールでも同じです。環境の良い水は三塩化窒素が多いか少ないかにより決まるといっても過言ではないでしょう。また、スイミングスクールの児童にはアレルギー性鼻炎が多いというデータも出ています。健康のためといって泳いでいても、そのためにアレルギーが悪化するようでは何にもなりません。
 ただ、同じアレルギーでも喘息に関しては、プール水泳は横になって泳ぐ吸気時に水分が多く取り入れられる、自律神経の鍛錬になるなどのメリットがあり、大いに推奨できるスポーツといえます。
 さらに、アレルギー性鼻炎が引き起こす病気の一つといえる「滲出性中耳炎」に対しては、鼻粘膜の腫脹による耳管の閉塞、水圧による鼓膜の圧迫などにより影響が大きく、適しているとは言えないでしょう。


増田耳鼻咽喉科医院 ・ 増田 勝彦


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