「 咳喘息 」(2007/02/01)


 最近、「風邪をひいてから、咳が止まらなくなった」という患者さんが増えています。
 咳喘息と呼ばれる病態が多いようです。これは、ゼーゼー、ヒューヒューや呼吸困難がなく、慢性に咳だけが続く病気です。
 この病気の特徴は、
一、ほかに原因となる病気がない(胸部レントゲン検査でも異常がない)のに、咳だけが数週間(三〜八週間)以上続く。
二、風邪の後に起こることが多い。
三、ほとんど痰はない。
四、咳は夜間から明け方にかけて出ることが多い。
五、冷気、暖気、受動喫煙、会話、電話、運動、飲酒、精神的緊張などが要因となることが多い。
六、風邪薬や、咳止めを飲んでも効かない。
以上ですが、本当の喘息へ移行することもあります。気管支拡張剤や、ステロイドなどが有効ですが、これらを使うと経過は良好で、症状が早く改善するため、患者さんは早めに治療を中断してしまうことが多く、再発する方もいます。本当の喘息になってしまわないためには、三〜六か月の治療が必要といわれています。
 長く続く痰のない咳発作には、そのほかにアトピー咳嗽、後鼻漏による咳嗽、胃食道逆流によるもの、ある種の高血圧治療薬による咳嗽があります。
 痰のない咳が長く続くようなら、咳だけだからと軽くみないで、早めに受診してください。本当の気管支喘息になってしまわない為に。


善通寺前田病院
院長 前田 隆史


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