尿失禁とは、本人の意志とは無関係に我慢できずに尿が漏れてしまったり、何かの拍子に尿が漏れることです。失禁のタイプには、腹圧性尿失禁・切迫性尿失禁・混合性尿失禁があります。
☆ 腹圧性尿失禁
お腹に力を入れるような動作（咳、クシャミ、怒責）をしたときに尿漏れを起こす失禁です。原因として下腹部の内臓を支える筋肉（骨盤底筋）が弱くなり、尿道が締まりにくくなるために起こります。
☆ 切迫性尿失禁
強い尿意を感じ、我慢できずに漏れてしまう失禁のことです。（トイレに行きたいと思ったら我慢できずに漏れてしまう。寒いところに出ると尿が漏れたりする）原因として、膀胱炎などのために膀胱が過敏になって起こるものと脳の障害などにより排尿の抑制ができなくなって起こるものがあります。
☆ 混合性尿失禁
腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁が同時にみられるタイプです。
☆ 尿失禁への対処法
楽な姿勢で肛門と膣を５秒間締めたり緩めたりすることを繰り返し行います。３か月を目安に行うと３人中２人には効果がみられます。
☆ 薬物療法
尿道を締める薬を使用することもありますが、根本的な治療ではありません。骨盤底筋訓練の補助的な治療法と考えた方が良いでしょう。
☆ その他の治療法
尿道を狭くするコラーゲン注入や手術などがあります。
西内産婦人科医院 西内 憲
