即時型食物アレルギー除去食の解除について(2008/03/03)


 アトピー性皮膚炎は100人に15−20人もいますが、それでもここ10年で5%くらい減少しました。清潔な生活やスキンケア、乳児期の卵などの自発的な制限が関係しているといわれます。乳幼児期に卵などを食べて即時型アレルギー症状を来す児は、5−10%と高率に存在しますが、学童期になるとその率は1−3%と減少します。しかし中にはアナフィラキシー症状という全身的なじんましんや喘息症状が起きる例がたまにあります。原因食品として卵、乳製品、小麦が最も多く、次いでそば、魚貝類、果物となっています。欧米では食物アレルギーが日本よりも多く、ピーナッツなどが主アレルゲンとなっています。明らかな症状があったお子さんは、家庭、保育所、学校での給食、おやつについて保護者・学校・医師が連携を取り食物除去指示書などで連絡し合い注意する必要があります。
 さて、除去してきた食物を再開する場合、負荷テスト(実際に食べてみる)が必要になります。多少含まれる加工品を食べても何も起きないという方は、家庭で解除を進めていくこともできますが、以前強い症状の出た方は、医師の監視下のもとで負荷テストを行います。症状が1年以上起きていないこと、血液検査などで改善していることなどを参考にしてごく少量から行います。愛媛県では入院し点滴をした上で負荷テストを行う全県ネットワークを作りました。香川県ではそこまでのシステムはありませんが、外来で医師監視のもとに卵白なら1/16くらい食べて1時間以上観察してアレルギー症状が陰性ならば、週1回1/4くらいから始め、だんだんと回数、量を増やしていきます。中にはどうしても解除できない方もいて、食品の成分表示に注意したり、成長するにつれ本人自身が気をつける習慣を身につけることも必要となります。



にしかわクリニック 西川 清

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