ヒブ(Hib)ワクチン、ご存知ですか(2008/09/01)

 ヘモフィルス属インフルエンザb型菌のことを略してヒブ(Hib)と呼びます。ヒブはお子さんの鼻やのどにいる細菌ですが、血液中に侵入して細菌性髄膜炎という重篤な病気を引き起こすことがあります。日本では年間600人のお子さんがヒブによる髄膜炎にかかっていると推定され、かかると5%のお子さんが亡くなり、20%前後のお子さんに後遺症が残るとされています。外国では以前よりヒブに対するワクチンが接種されており、ヒブによる髄膜炎のお子さんは激減しています。


 “インフルエンザb型菌”という名前で、ややこしいのですが、冬に流行するインフルエンザとは関係ありません。インフルエンザはインフルエンザウイルスが原因で、ウイルスと細菌はまったく違います。ワクチンの名称も本来はインフルエンザb型菌ワクチンとすべきですが、インフルエンザワクチンとの混乱を避けてヒブワクチンと呼びます。


 日本でも接種が始まる予定ですが、まだ具体的には決まっていません。接種回数は4回で、5歳以下のお子さんが対象ですが、髄膜炎は生後6ヵ月から1歳ぐらいが好発年齢ですので、できるだけ早期に、できれば生後6ヵ月までに最初の2回の接種をすませた方がいいとされています。BCGも生後6ヵ月になるまでにすませなくてはいけませんので、予防接種のための受診回数が少なくてすむようにとの配慮から、3種混合と同じ日に同時接種(右腕と左腕に1本ずつ接種します)が推奨されています。副作用は海外のデータによると、接種部位が赤く腫れたり、発熱がみられたりしますが、重篤なものは非常に少ないようです。新しく始まるワクチンですが、接種により得られる利点を理解していただき、積極的に接種をうけていただきますようお願いします。


 


国立病院機構香川小児病院 小児科


岩井 艶子


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