タバコの害について(2008/10/01)

 タバコと高血圧は殆ど全ての調査で全死亡を有意に増やす原因になっています。


タバコと高血圧のどちらが働き盛りの男性の死因のトップになるのかは、茨城県の調査で、40〜79才男性の24%は喫煙が関係しており、高血圧の11%、糖尿病の3%を大きく上回っていました。 


 このように日本人中年男性の全死亡に対する喫煙の寄与率は20〜30%と推定されていることを考え合わせると喫煙が中年男性の最大の予防可能な早死の因子であることは間違いありません。


 禁煙なくしてがん予防なし。


 厚生労働省の研究によると、男性のがんの29%、女性のがんの3%はタバコを吸っていなければ防げたはずであり、タバコが無ければ毎年約9万人(全がん死亡の3分の1)が、がんで死ななくてすむと言われています。


 喫煙なくして心筋梗塞予防なし。


 心筋梗塞で倒れた日本人男性の一番多く持っていた冠疾患の危険因子は喫煙です(高血圧12%、高コレステロール血症27%、耐糖能異常11%、肥満12%、喫煙55%)。


 心筋梗塞のリスク増加の割合は、男性では高血圧(4.8倍)喫煙(4.0倍)糖尿病(2.9倍)高コレステロール血症(1.5倍)ですが、女性では喫煙(8.2倍)糖尿病(6.1倍)高血圧(5.0倍)と喫煙が最大の心筋梗塞発病の促進因子となっていました。コレステロールには有意な関連が見られなかったようです。


 結論として、喫煙は働き盛り日本人男性の最大の死亡原因であり、男性のがん死亡の3〜4割は喫煙が原因であると考えられます。


 


西山生々堂医院


西山 敬萬


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