しびれ(2008/11/01)

 しびれは痛みとともに一般的によく訴えられる症状です。何科に受診すればよいか迷うところです。まず、頚から上では脳神経外科、それより下では整形外科を受診することが多いと思います。しびれの部位により眼科、耳鼻科、皮膚科に行かれる方もあるでしょう。もちろん神経内科や一般内科(総合診療科)を受診し、そこを窓口として専門とする科へ紹介してもらってもよいでしょう。


 しびれの原因は多岐にわたっており各診療科でも診断、治療が困難な場合があります。通常よくみられるしびれとしては手足の場合、脊椎(頚椎、腰椎)疾患が考えられます。これには脊髄そのものへの障害の場合と脊髄より出る神経根への障害が原因の場合があります。主根管症候群のように末梢神経が局所で圧迫される症状もよくみられます。顔面の場合は副鼻腔炎や脳血管の接触による三叉神経の障害、後頭部では後頭神経が筋肉の緊張により刺激され起こることがあります。両側性で手足の末梢のしびれは多発神経炎、頚髄症、糖尿病などが考えられます。局所の限局したものでは末梢神経障害が多いと思いますが、体幹の場合は内臓疾患からの場合もあります。脳が原因のしびれについては顔を含む半身のしびれなどは脳が原因と分かりやすいのですが、体の一部のしびれの場合でも脳が原因である可能性が無い訳ではありません。またしびれ(痛み)の中には口腔灼熱症候群、線維筋痛症など原因不明でつらい症状が持続するものもあります。外傷後のしびれ、心身症と思われるものなどでも、すっきりしない事があります。薬物治療(漢方も含めて)、理学療法、神経療法などで効果のある場合もあります。焦らないで気長に症状と共生する気持ちで生活していただけるとよいのですが。


 


行天クリニック


行天 徹矢


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